[壮月一八]
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2006.10.02(Mon)


10月初めの本日。一日かけて『邪魅の雫』を読み終えました。
そして30分かけて書いた感想がさっきふっとびました。腹立つ!o(`ω´*)o。

邪魅の雫 邪魅の雫
京極 夏彦 (2006/09/27)
講談社
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・・・・長かったですね、今回は。いや、ページとしては『鉄鼠』や『絡新婦』の方が長いのでしょうが(あまり変わらない?)ややこしさで長さが倍に感じました。初めて人物関係というか状況を書きまとめながら(つまり刑事ドラマでよくホワイトボードに書いてあるのを書きながら)読みましたよ。えぇい、せからしかった!

以下、ネタバレ含むので「そんなのイヤン!」な方は回避あれ。


なぜ、状況を書きまとめながら読む必要があったのか。
それはやはり『実菜』、『恵』、『美咲』が関係する人物によって見せる姿が違うからですよ!(あれ、これって当たり前のことなのか?)
前ページの『実菜』はこのページの『実菜』とは別人だけれども、本当に『実菜』であるのはこのページの『実菜』だ、ということが起こったり。この人の『実菜』はこんな人で、でもあの人のこういう人は『恵』であったり。・・・・・・頭の回路が混線状態。こういう風に本を読んだ初めてだよ、本当。

この事件を担当した警察関係者には心から憐憫の情を感じるね。
だって調書を作ろうとしたときには次の人が殺され、しかもそいつは前の事件の重要参考人というか犯人だったりする。書類作ってる暇なんて犯人は与えちゃくれなかった。まぁ、警察の都合を考えながら動く犯人も珍しいだろうけど。
けれど、久々に警察が出張ってたよね。例外として木場修は1つの章にしか出なかったけれど、トンと忘れていた山下とか、青木はもちろんマスカマまでもが警察関係者として働いたり。最近は榎さんに混乱させられている警察ばかりを見ていた気がするので、ちょっと復権かね(笑)

だけど私の中で言うべきなのはそんなことじゃなくて。
話の収束の速さと、犯人の動機、そして榎さんのカッコよさでしょう!

話の収束の速さに「おいおいちょっと待ってくれ!」と思うのは毎度のことでありますが。というか、それが京極堂スタイルなのですが。今回は話がややこしかったからこそ余計に決着が早かった。
速い、とはいっても回りくどというのは変わらない。詰め将棋(やったことないけれど)のように周りからしっかり固めていく。今まで混乱していたものがようやくマトモな形になっていく。解体、再構築で助けられているのは私たちなのでしょうね。
私は京極堂で「コイツがアイツをこういう風に殺した」というのがわかっても、本当にわかったことはない気がする。『絡新婦』なんて、最後にあの人が出てくるなんてこれっぽっちも思っちゃいなかったよ・・・・!

今回の犯人(というよりも黒幕か)の動機は、珍しくとても普通の人間的でしたね。だって、これはいわば「嫉妬」なわけで。2時間ドラマでも扱える動機ですよ。ただし、この嫉妬がこれだけ面倒なことになるのはさすが京極というべきなのか(笑)
だが榎さんに恋人がいたというのが・・・・・ショックというかなんというか。アンタちゃんとお付き合いできたのね!?出征前に「爆撃を受けたら一緒に燃えてしまうから」と写真を中禅寺に残すとか、普通だ!榎さんが普通の人だ!(すごく失礼。でもそういう感想が真っ当だよね?)
ただし。榎さんは普通の人じゃない。自己正当も、嘘も、肩書きも、嫉みも、何もかも持たないで世界に立つなんて普通ならありえない。だから彼と、世界と対等に渡り合える彼と、真っ向勝負ができるのは普通の人間じゃない。それがオツキアイしていたにもかかわらずわからなくなってしまったんでしょうかねカンザキヒロミ。好きなだけ、だったのならただ言えばよかったんだ。シンプルなものはシンプルなままに、世界なんて考えるから面倒なことになったんだ。・・・・違うか?
まぁとりあえず。私はこの七面倒な事件と、榎さんとマトモにお付き合いして大事にされていたということへのヤッカミからこの人が嫌いです。フンだ!

そしてそしてそして。榎さーん!!
終盤に差し掛かるまで名前しか出てこなくてヤキモキしたのですが、出てきたら出てきたでマトモで普通で違った意味でヤキモキしました。
だって「青木」とか「益田」とか、ちゃんと名前を呼ぶし。ど、どうしたんですかこの人!?普通じゃないですか!繰り返しになるけれど、カンザキヒロミに対する過去の行動を掘り返すとまた(比較的)普通の人だし!
でも好き(笑)。いつもはわけのわからないヘラヘラした人が急に真面目になるとか、とても私のツボを直撃してくれました。すごく好き!最終ページなんて、京極堂じゃないよな。文章の良し悪しではなく、雰囲気の有る無しでなく、榎さんが!あぁぁもぅ!「榎木津君」とか呼ばれちゃってさ!ぐわッ!
しかもみんなに愛されてる榎さんだし。中禅寺が今回出てきた理由というのが「榎木津に――辛い言葉を云わせたくなかったからです」だってよ、ちょっと。一部の腐りかけたお嬢さん方にはとんでもない言葉ですね(笑)。あぁ・・・・さすが神。結局神主は神を見捨てることなんてできやしないのですか。(宗派メチャクチャになりますが。あれ、神道に宗派とかないんですっけ?あるよね?)

長かった面倒だったややこしかった、とは言いますが、楽しかったです。ただし京極堂シリーズを初めて読むならこれから始めても仕方ない気がします。突拍子のない部分とか多々ありますでしょう。どうぞ『姑獲鳥』から読んでください。
(思うんですけど、『姑獲鳥』って割と怖いですよね。それ以降はそんなに怖くないけど。それにひるまず、長さにひるまず、ぜひ京極堂シリーズを読んで欲しいです。)
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